とある阿呆の随想録

阿呆の徒然なる日々

知の巨人 佐藤優 おすすめの本

 元外務省主任分析官で、現在は作家。圧倒的な知識量の佐藤優氏は、次々と本を出している。

 僕は「読書の技法」「悪魔の勉強術」などの勉強法の本を主に購入しているのだが、もう完全に佐藤氏の信者である。

 しかし、そんな佐藤氏の本が多すぎるので、どんな本を出してるのか?まとめてみた。

国家の罠

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

 佐藤氏のデビュー作東京地検特捜部に逮捕される話

 なぜ逮捕されるに至ったのかの全貌。

 特捜とロシアのことについて知識が増える。

 勉強になるというより読み物として面白い。

 佐藤氏は逮捕されて有罪になってしまったわけだが、この本を読めば、もちろん他の著作もそうだが、誠実さを感じ、言葉に説得力がある。

獄中記

獄中記 (岩波現代文庫)

獄中記 (岩波現代文庫)

 タイトルの通り、獄中で記した日記。獄中で何を思い、何をしたかが細かく書かれている。「国家の罠」とあわせて読むと良いかも。獄中で読んだ本リスト付。 

知の操縦法

知の操縦法

知の操縦法

 難しい。 

 反知性主義が蔓延するなかで、本当に身につけるべき知とはなにか。

 ギリシャ古典哲学や、村上春樹STAP細胞まで言及。

 ビリギャルについての考察が面白かった。母がモンペア的であるとか、家が裕福であるとか、さらには、ただ入学のみを目的としており、はたして勉強についていけないのに大学に行く意味があるのか、など。

超したたか勉強術

超したたか勉強術 (朝日新書)

超したたか勉強術 (朝日新書)

 近年に起きた事件を取り上げつつ、思考法を記している。

 難易度高い。
 世界史の知識が欠如している自分には難しい。

 しかし、「思考のポイント」やコラムなどはわかりやすいし面白い。
 「アナロジーで考える」
「敷衍して論を発展させる」
「正反対の人物をイメージする」
「脳の記憶容量を大きく変える丸暗記のすすめ」など。

 ただ、勉強術というタイトルだが、一般的な勉強法の本とは一線を画する。

知の教室

 佐藤さんと様々な人との対談や論考を厳選した文庫本。

まえがき

何の役にも立たないように見える教養こそが、中長期的視点からは、役に立つのだ。

 難しいテーマも多いが、面白く、ためになる本。
半分くらいは読書、教養についての話。

 佐藤優さんの本で「何買えば良いかわからない!」という人におすすめ。

悪魔の勉強術

 これは佐藤さんが同志社大学で講義をしたものを文字化したもの。

 勉強術というタイトルだが、半分は神学の話だ。
 出版社が適当にタイトルをつけたのではないか。

 とにかく、神学の話を引いても、この本は良書と思う。なぜ歴史の年号を覚える必要があるのか。なぜ学ぶのか。そしてどう学ぶのか。

 啓発本としても良いと思う。
 

読む力

 千夜千冊を手掛ける編集工学研究所所長との対談。

 150冊の本を紹介してますが、レベル高い。

 まず、ここに紹介されている本を読むために、それなりの勉強をしないと…。

ぼくらの頭脳の鍛え方

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)

 佐藤さんと、知の怪物こと立花隆さんの対談本で、これはブックガイドである。

 佐藤さんと立花さんが、それぞれ本棚から百冊、文庫と新書を百冊厳選、計四百冊の本のリスト付。

 こちらに紹介されている本は、「読む力」に比べると易しめ。マルクスレーニンの本など、被ってるのもいくつかあるが、「これなら読めそう!」という本が結構ある。

 対談の内容としては、読書について、歴史、教養から、勉強法にも言及する。

 印象に残ったのは、立花さんの読書術十四カ条だ。「金を惜しまず本を買え」「本を読みながらノートを取るな」などなど。

僕らが毎日やっている最強の読み方

 佐藤さんと池上彰さんの対談本。

 新聞、雑誌は何を、どう読むのか。ネットやスマホタブレットをどう活用するか。

 そして書籍。基礎知識や古典の重要さについても語る。本の読み方も。

 それから、教科書や学習参考書についても話す。

 とてもわかりやすい。

読書の技法

 最も分かりやすく、かつ有益なのはこれだろう。

 佐藤さんは月に300冊もの本を読む。いってしまえば斜め読み、速読なのだが、それには高校までの基礎知識が不可欠だと語る。
 基礎知識が無いまま速読しても、それは単なる眼球運動なのである。

 速読する本は、難解ではない本、あるいはそのテーマ、内容について知識がある本だ。

 対して、自分の血肉としたい本を熟読の対象とし、佐藤さんは月に2、3冊を熟読しているという。

 どう本を読むか、何を読むか。読書術の本としてはこれはダントツだと思う。

いっきに学び直す 日本史


 これは、佐藤氏の著作ではない。数十年前に、安藤達朗という人が一人で書いた日本史を、佐藤氏が企画編集解説、山岸教諭が監修した日本史の教科書、である。

 監修が入っているとはいえ、古い学説をあえて残していたりするので、受験に使用するのではなく、まさにタイトルどおり、あくまで学び直しに使う本だと思う。

 学説が古いとか、細かいことを気にしない人向け。