とある阿呆の随想録

阿呆の徒然なる日々

Rhapsodyを買う

 なけなしの小遣いで、シンフォニックメタルのパイオニア、ラプソディのCDを中古で買う。3枚。

 初めて知ったのはいつだったろう
 あまりの衝撃に膝から崩れ落ちた

 この世にこんな音楽があるなんて
 そう、ワイが聞きたかったのはこういう音楽なんだ!
 ワイは、シンフォニックメタルを聴くためにこの世に生を受けたんや…

 あなたにも、ありますか?
 そんな音楽。(?) 

Symphony of Enchanted Lands

Symphony of Enchanted Lands

Dawn of Victory

Dawn of Victory

Legendary Tales

Legendary Tales

「はじゃのつるぎ」の英語訳「sword of malice」

 はじゃのつるぎといえば、ドラクエにおいて中盤に手に入る、聖なる剣。
 振りかざすとギラが使える、便利な剣である。

 これが、英語版ドラゴンクエストではどうなっているのか。

Sword of Malice

 ん?malice?破邪って意味かな?

Maliceの意味…悪意、恨み、敵意、殺意

なん…だと…

おいおい、誤訳かよ…ちゃんと仕事しろ!真逆の意味になっちゃってんじゃねーか!

と、思ったのだが、ofにはこんな用法があるという。

ofには、所属・所有のほか、分離・離脱の意味がある。

と、いうことは、「maliceの剣」ではなく、「maliceを退ける剣」、つまり「破邪の剣」となるわけか!

そう思ったのもつかの間…


sword of maliceについて調べていくと、海外の掲示板へ辿り着いた。

そこの書き込みを意訳するとだいたいこんな感じ(たぶん)

「sword of maliceって剣あるじゃん?これ、破邪の剣なんだな。前はcautery(焼灼) swordだったのに。名前変更されたのか」

「cauteryってどういう意味だよ。わかりにくいわ」

「maliceのほうがいいね」

「最初sword of maliceって名前見たとき、呪いの武器だと思った。でも剣のデザインは聖なる剣っぽいんだよな…」

「日本ではevil-crushing swordって名前らしい」

「は?なんでそれがsword of maliceになるわけ?maliceの意味調べたけど、全然関係ないじゃん。他の人も言ってるけど、呪いの武器にしか見えん。俺も最初見たとき呪いの武器かと思ったし」

「単純に「火炎の剣」って名前にしないということは、言葉遊びか何かあるのかな」

http://www.gamefaqs.com/boards/942422-dragon-quest-iv-chapters-of-the-chosen/48820609

英語圏の人がまったく「はじゃのつるぎ」を認識できてねえ…

結局、誤訳かどうかわからねー、という話でした。

2017/05/22 追記

 ついに分かった。これは誤訳ではない。
 中世ヨーロッパの時代、ofは「〜から…を切り離す」という分離の意味が主だったのだ。
 たぶんネイティブでさえ知らないのだろう。高度すぎる翻訳、といえる。

古事記と日本書紀の違いについて

成立

 古事記日本書紀は、奈良時代初期に著された。ともに天武天皇の命で編纂が始まった。どちらも同時期に作られ、内容も神の誕生から国生み、天皇の統治を記しているが、種々の違いがある。

 まず、最初に完成したのは古事記である。712年に元明天皇に献上された。天武天皇が、文章を一度見ただけで覚えてしまうという、稗田阿礼に『帝紀』『旧辞』を暗誦させ、太安万古侶がそれを書き記した。その目的の一つは、伝承や天皇の伝説をまとめ、正史を作ることである。当時、帝紀旧辞に虚偽や誤りが多いとして、再編集したのである。

 日本書紀は720年に完成した。681年に、天武天皇が日本の初の正史を作るために編纂を命じたのである。川島皇子はじめ6人の皇子と、中臣大嶋、上毛野三千などの官人6人が40年の期間をかけ編纂した。最終的に天武の子、舎人親王が完成させ、元生天皇に献上された。

構成

 古事記は上中下の三巻で構成されている。世界の始まりから第33代推古天皇までを記す。
 書紀は30巻と1巻の系図からなり、41代持統天皇までの記録が著されている。

読者は誰か

 古事記は国内の読者を対象としている。つまり、天皇を現人神とし、その統治の正当性を強める目的がある。ゆえに、神と天皇をつなげる、神話の記述に重きを置いている。国内向けのため、日本人が理解出来るように和文で書かれている。さらに、中国や朝鮮などの諸外国は一切登場しない。また、天皇を現人神として扱っているので、崩御、つまり死については直接の言及を避けている。

 一方、書紀は外国向けで、中国や朝鮮を意識している。そのため文章は漢文で書かれている。歴史書としての意義が強いため、神話は少なく、天皇についての記述が多い。だが、古事記とは違い、天皇の死を記していて、天皇の神聖性は弱い。また、その記述の仕方は、神話を除いて中国の歴史書と同じように編年体である。さらに、中国や朝鮮の歴史書の内容を盛り込み、朝鮮半島の情勢などが登場する。

表記

 漢文と和文の違いが、神々の名にも表れている。漢文で書かれた書紀では、素戔鳴・伊奘諾と、名前の持つ意味を漢字で表している。和文古事記では、須佐乃男・伊耶那岐と、日本語の音声を漢字に当てはめて表現する。

内容と表現

 古事記は文学色が強く、神話は歌などが多数使われ、情緒豊かに語られている。しかし、途中からは物語的な記述をやめ、仁賢天皇から推古天皇まで、簡単な系譜を記すにとどめて、記述を終わっている。これは、仁賢天皇から後は近代であり、古い時代を記すことが目的のため、こうした記述の仕方になっている。

 書紀は、歴史書として正確を期すように、様々な史料に基づいて書かれたり、神話部分で様々な伝承を併記したりしている点が特徴である。また、儒教や仏教の影響も見られる。特に尊い神に対しては「尊」という語を用いているのである。さらに、神話部分では残酷なシーンが削られている。

 古事記では残虐な描写がよくある。例えば、日本武尊が兄を殺す時に、四肢を解体したり、遺体を切り刻んだりする。これは、死体が蘇ると考えられていて、それを防ぐためである。しかし、書紀では一切そのような記述はない。仏教や儒教流入によるものである。そのため、古事記では死亡する人物が、書紀では死なない。例えば書紀では伊邪那美が生きて神々を出産し続ける。

論理性

 書紀では、神話を多少変化させているので、筋が通っておらず、説話間の繋がりが薄い。一方、古事記は整合性・統一性に優れ、一つ一つの説話が密接に関係しているのである。

参考文献

日本書紀のすべて

日本書紀のすべて

「『日本書紀』のすべて」 武光誠(1991) 新人物往来社

地図と写真から見える!古事記・日本書紀

地図と写真から見える!古事記・日本書紀

『地図と写真から見える!古事記日本書紀』 山本明(2011) 西東社